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7月1日(土)
 ドニントンパークは1周の距離が短く、周回数が多いので、タイヤ選びが特に重要だ。ただ、今日は朝からギアボックスの不調に悩まされた。午前中のフリー走行ではギア抜けが発生してグラベルで軽く転倒してしまった。
 そんなこともあって、予選のアタック時間もあまり長く取ることができず、結果は7番手。今の状況の中ではまずまずいいポジションだけど、抜きづらいコースだからもう少し前につけたかったところだ。
 ギアボックスに関してはチームも原因を調べて、ありとあらゆるパーツを交換してレースに備えてくれている。決勝では調子が戻るといいな。

7月2日(日)
 決勝レースがスタートしてすぐ、1周目にギアが直っていないことに気付いた。シフト操作でギアが抜けたり、うまく入らなかったりしてうまく走れない。これはガマンのレースになりそうだ……。
「でもレースは長い!」と自分に言い聞かせて、何とか走りでアジャストしながら走行を続ける。前のライダーのペースがそれほど速くなくて、僕は調子が悪いなりにも予選と同じぐらいの順位で走れていた……矢先に、別のトラブルが発生! マシンを止めることになってしまった。
 せっかくいいリズムで来ていたのに、本当に残念だ。チームもがっかりしていたが、みんな懸命に問題に取り組んでくれている。ギアボックストラブルの原因は徹底的に究明して次のレースに臨めそうだ。
 リタイヤの原因となったエンジントラブルは、テストを含めても今年初。運悪くたまたま決勝レース中に発生してしまったけど、こちらはそう大きな問題ではなさそうだ。ドイツ、アメリカと僕たちに向いているコースでのレースが続くので、オランダで得た「やればできるんだ!」という自信を持って、次以降のレースに臨みたい。

7月3日(月)
 行きのフライトはひどい目に遭ったので、帰りは心配で心配で……。「今度はどこに飛ばされるんだろう」とドキドキしたが、問題なくアパートに戻ることができた。
 いや〜、3連戦はハードだった〜! シーズン中は気を張っているから自分ではなかなか気付かないけど、アパートに帰り着いた時は本当にホッとした。キツかったな〜!

7月7日(火)
 フィリップが「3連戦の後だし、軽くハイキングでもしながら疲れを取ろうか」と声をかけてくれて、クレルモン・フェランから1時間ほどの所まで出かけた。そこはフィリップの両親が住んでいる素晴らしい土地で、登山できる山もある。今日はホテル泊。明日の早朝から山登りにチャレンジだ!
 ところで町の子供たちは、早くも2ヶ月の夏休みに突入したらしい。最近気付いたけど、フランスはホントにホリデーが多い! 毎週ロングホリデーのようなもので、しかも夏休みは2ヶ月ときたもんだ。うらやましいな〜。

7月8日(土)
 早朝出発して山へ。「余裕だから」と言われていたが、「ホントかな」と半信半疑で山登りスタート。途中で景色を楽しみつつ、本当にリラックスしながらハイキング気分で歩くことができた。
 こういう時、日本だとお弁当はお茶とおにぎりが定番だが、フランスではワインとチーズとパン。山の専門家には怒られちゃいそうだけど、眺めのいいところで気分よくがぶがぶとワインを飲んでから再スタート。さすがに遭難が心配になったし、最後は岩登りみたいな所もあって相当疲れたけど、頂上に到着した時は気分爽快!
「シンヤ、トレーニングなんだから下りも行くぞ!」とフィリップに言われたけど、すでに4時間歩いていたのでさすがにそれは遠慮させてもらって、山頂からはクルマで下山した。いい経験になりました。

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7月9日(日)
 サッカーワールドカップの決勝戦。フランスvsイタリアということで、さすがにこの日はフランス人もマジになっている。イザベルが料理を作ってくれて、テラスにテレビを出してみんなで観戦することになった。明らかにフランスを応援するしかない雰囲気だ……。
 サッカーはあまり詳しくないけど、名プレイヤーのジダンがこの試合を最後に完全に引退してしまうということで、自然と応援したくなる。ジダンにはやはり心中期するものがあるのか、ブラジル戦では素晴らしい動きを見せていた。
 そして結果は皆さんもご存じのように……、注目のジダンがまさかの頭突きで一発退場! 「ジズー(ジダンの愛称)はフェアだ」「審判にも文句を言わない」「いつもジズーはフェアなプレーをするんだ」「あいつは本当に素朴でいいヤツだ」と言っていたフランス人たちは、ジダンの退場に完全に言葉を失っていた。
 試合自体もフランスが負けてしまい、すごく残念だったけど、前評判からすればかなり善戦したんじゃないかな。ジダンの件は真相が分からないけど、サッカーは相手を転ばしたり転ばされたフリをしたり、試合中に言い合っている姿も結構見かける。そういうスポーツなのかもしれないけど……。

7月11日(火)
 クレルモン・フェランを出発して、フランクフルトへ。ここで1泊してからザクセンリンクに向かう。チームにとっての地元GP、頑張ってきます!

7月12日(水)
 フランクフルトからドレスデンまで飛び、そこからレンタカーでサーキット入りした。

7月13日(木)
 チームの地元GPということで、スタッフもみんな気合いが入っている。ランニングしながらコースを1周した後に、週末に行われるカワサキのイベント会場を下見した。なんとそこにはZX-10RのMotoGPレプリカが!「オレにか!?」とうれしくなり、「申し訳ないな、ゼッケン56まで付けてもらっちゃって」と思ったが、どうやら抽選で当たった人へのプレゼントらしい。ガックリ。

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7月14日(金)
 ザクセンリンクは好きなコースの1つ。なのに走り出しから苦戦……。バイクもタイヤも大きな問題はないけど、なぜかタイムが上がらない。周りのライバルたち──特にホンダ勢が最初からいいタイムで走っていて、タイム差を付けられポジションも上がらなかった。出鼻をくじかれた感じだ。

7月15日(土)
 コンピュータなどでデータ分析して、自分の弱点をつぶしていきながら、いろいろな種類のタイヤを試す。初日は砂が浮いていたコースもだいぶコンディションがよくなり、ようやく自分のペースも上げられてきた。
 予選はいいアタックができ、4番手といいグリッドをゲット! チーフエンジニアのフィオも「初日はイマイチだったけど、このペースならイケるぞシンヤ!」と自信を付けさせてくれる。今年はこのパターンが多いけど、決勝までに何とか仕上げられたかな。
 予選後は、カワサキのイベント会場でサイン会。たくさんの熱烈なファンが集まってくれた。

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7月16日(日)
 レースのスタート自体は悪くなかったが、毎年ドイツの1コーナーは何かあるので、気分的にはやや引き気味。特にアウト側からのスタートでイヤな予感がして、「間違いなく接触はあるぞ!」と受け身態勢を取り、「来るなら来い!」と身構えていたら、誰1人として僕のところには来ずにみんなスルスルとイン側を抜けていく。1コーナーを立ち上がる頃には時すでに遅しで、順位を落としてしまった。何やってんだか、もう!
 でもまだまだレースは長いので、気を取り直して走行。コーナーによってはギリギリトップグループが見えるあたりを走れて、モチベーションも高まる。そのおかげでいいタイムで走ることができ、最後はペースダウンしてきたカピロッシに迫ったが、抜くには至らず6位でゴールした。
 もちろんもっと上の方を狙って張り切っていたけど、前回リタイヤしていることだし、今回はまぁよしとしましょう!

ph
7月17日(月)
 ドレスデンからフランクフルトへ。次のアメリカGP前に、ロサンゼルス・ハリウッドでMotoGPがあるので、フランクフルトからロスに直行した。

7月18日(火)
 ハリウッドのチャイニーズシアターでMotoGPイベントが行われた。MotoGPライダーが、各メーカーの市販車を走らせるという内容だ。もちろん僕が乗ったのはカワサキZX-10R。
 一応事前に打ち合わせがあったが、かなり大ざっぱ。日本でこういうイベントが行われる場合は「こちらの入口から何時何分に登場していただき、その後幅何メートルの道路の右側約何メートルのところを時速何キロで走行し、何秒後に出口から退場……」みたいな綿密な説明があるのだが、アメリカ流はそこまで詳しくないらしい。「まあ、ちょっと狭い場所だけど、ファンの前で走りを見せてくれ」と、アバウトな説明で終わってしまった。
 ドルナのスタッフもイギリス人で、さらにややこしい説明をしてくれて、「今の英語は何だったんだ?」と思っていたところに、ニッキーに「今の説明、分かったか!?」と聞かれた。「英語ネイティブのニッキーが分かんなくて、オレに分かるわけねぇだろ!」と思いつつ、イベントが始まってしまった。
 最初に誰が出ていくのかもハッキリしなかったが、どうやら「コーリンとシンヤ」ということになっていたらしく、コーリンも「着いてこいよ」と言うので、10Rに乗ってスタート。ところが駐車場からシアター前のイベント会場までの間はやや一般公道で、いきなり赤信号に引っかかる。コーリンと2人で信号待ちしている時は、何とも言えない気分だった。
 信号が青に変わり、ようやくチャイニーズシアターへ。メインストリートを封鎖している……のかと思ったら、その脇の幅4m・長さ100mぐらいの路肩を柵で囲っただけのスペースが用意されていた。「ここを走るのかよ!」と思うほど狭かったが、それでもビューンと走るとファンの人たちは喜んでくれた。が、狭いのでUターンができない。バイクから降りてえっちらおっちらと押してUターンした。カッコ悪!
 事前に警察に許可は取ってあったものの、なかなか厳しくて狭いスペースになってしまったようだ。それでも予想以上にたくさんのお客さんが見に来てくれたので、バーンナウトをしたり、ファンにサインしたりして、いい経験になりました。

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7月19日(水)
 ロスからサンフランシスコに飛び、サーキットに向かった。

7月20日(木)
 いつものようにコースをランニングで1周して下見。ラグナセカの路面は一部新しく舗装されていて、セーフティゾーンも広がっている。去年走ってみた印象では、「やけにコンクリートウォールが近いな」と思う所はあったけど、コース自体は嫌いじゃなかったし、路面がよくなりセーフティゾーンが広がっている=思いっ切り走れる……ってことは……、もしかしたらチャンスか!?

7月21日(金)
 走行開始。下見の時は「キレイになったな」と思っていた新しい路面は予想以上に汚れていて、しかも実際に走ってみるとギャップがひどい! もうボコボコだ。最初はサスセッティングを間違えたかと思ったほど。グリップも低い。どのライダーも同じようなことを言っていた。
 せっかく去年、コーナーの右左を覚えたのに、振り出しに戻された感じでうまく走れず、ガッカリだ。

7月22日(土)
 午前中の走行でだいぶコース状況には慣れてきたが、それはみんなも同じことで、トップ10に入ることができずに苦戦。予選は何とか上位に顔を出せて、結果は8番手。初日よりはいいけど、決勝レースに向けては不安が残った。

7月23日(日)
 決勝がスタートした頃には気温が高かった。ブリヂストンタイヤはその方が調子がいいので、仕上がりとしてはあまりよくないなりにも、「最後まで走り切ればチャンスがあるぞ」と、9番手あたりから上位を狙っていた。
 しかし残念ながらエンジントラブルでストップし、リタイヤとなった。今年何度かトラブルが出ていたいし、「アメリカまできてこれかよ!」と、思わず怒りを爆発させてしまったが、こればっかりは仕方がない。

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7月24日(月)
 サンフランシスコを発ち、成田に向かう。

7月25日(火)
 日本に帰国。久しぶりだ! 今回は鈴鹿8耐やポケバイ、アライヘルメットのサイン会などのイベントがあるので、ファンの皆さんと一緒に日本の夏を満喫したい。

7月28日(金)
 8耐のイベントに参加するため、鈴鹿サーキット入りした。鈴鹿に来るのは2003年のレースの時以来。鈴鹿では何度もレースをしたことがあるので、懐かしい思いと、今はGPをやっていない寂しさとが入り交じった。

7月29日(土)
 午前中にアライヘルメットのサイン会、午後には日本GPのPRイベントや8耐そのもののイベントなどに参加させてもらった。多くの人が「アメリカから帰ってきたばかりで時差ボケはないですか?」と心配してくれたけど、これから8時間のレースを戦おうというライダーたちを前に「疲れました」なんて、とてもじゃないけど言えません。
 自分のレースじゃない時にサーキットに来るのはすごく新鮮。目玉キャップをかぶっていたり、カワサキのライムグリーンの旗を振ってくれるファンの方たちを見かけて、すごくうれしかった。

7月30日(日)
 8耐決勝日。あの暑いカリフォルニアに匹敵する暑さだ。来たな8耐!!
 スタート直前にグリッドに行き、みんなにあいさつすることになったが、自分の出るレースじゃないグリッドに行くのはどうも……。自分もライダーだから分かるけど、みんな気持ちを高めてピリピリしているところに、涼しい顔して立ち入っちゃいけないような気がしていたが、どうしても一声かけたくて、交流のあるライダーの所を訪れた。
 このグリッドでも、ピットを歩いている時も、何年ぶりかに会うレース仲間たちはすごく温かく迎えてくれてうれしかった。中には、かつては話すことすら恐れ多かったような先輩ライダーにも声をかけていただき、感無量でした。
 レースはイベントの合間に見ていたけど、陽が落ちてゴール寸前というあたりではもうすっかりドキドキだ。特に自分がレースをしている分、準備の大変さや1年に1回のレースにかける意気込みが分かるので、とにかくみんなの完走を祈った。と言いつつ、最後のドラマにも期待したりしつつ、でも何事もなくレースが終わってほしいような、いちファンの気持ちになってレースを見ていた。
 ゴール後は、アライヘルメットにお邪魔して、花火を見ながらビールをちょっとだけいただき、感動にひたりました。

7月31日(月)
 鈴鹿からカワサキのある明石に移動。スタッフとミーティングをした。こうしてエンジニアの方たちと顔を合わせるのはとても重要。エンジンや車体について話し合うことができ、後半戦に向けて貴重な機会となった。

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