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5月1日(月)
 パリへのフライトは午前9時発。パリから成田に向かう予定だ。月曜の朝だし、ひょっとすると空港までの道がまたすごい混んで、2時間かかるかもしれない。フライトの2時間前には空港に着きたいし……、ということで、朝5時にホテルを出発した。
 ところがこういう時に限って道路はまったく混んでいなくて、たった40分で空港に到着。「どうするのよ?」と途方に暮れたが、まあゆったりと朝食をとったりしながら余裕で過ごしてから混雑気味のチェックインカウンターに行くと、そこにはポンちゃんが。
「ボンジュール、ムッシュー」と得意のフランス語を駆使して話しかけてみると、「シンヤ、おまえ知ってるのか? パリへのフライトがキャンセルになったんだぞ」。……!!! 一瞬のうちにざぁっと血の気が引いた。ルンルン気分で「日本に帰ったらアレをしよう、コレもしよう」なんて考えていたのに、この調子じゃパリから成田への接続便も乗れないんだろうな。もうがっかりだ。
 結局、昼過ぎのフライトでパリに向かい、成田へのフライトも夜になってしまった。

5月2日(火)
 夕方、日本に到着。本当だったら今朝早くに着くはずだったのに! 1日損した気分だ。

5月3日(水)
 この時期、少しだけ日本に帰ることが多いが、ニュースを見ると「高速道路は30kmの渋滞」なんて言ってるのが恒例だ。これじゃ毎年どこにも行けないじゃないか!
 IRTAテスト以来、丸々2ヶ月ぶりの日本で、すごくいろいろ楽しみにしてるのにな〜。フィリップ先生には宿題をたっぷり渡されてるから、それもやらなきゃいけないし……。

5月4日(木)
 フランスを離れる時、イザベルに「シンヤは日本に帰ってすぐ中国行きだし、ゴルフをしているヒマなんてないでしょうね。私はその間、たっぷり練習しておくわ」と言われ、悔しいので今日は打ちっ放しで練習。
「僕もフランスでちょっとたしなんでまして」という感じでフランス流に打ち始めたが、一緒に行った人には「全然意味ねえじゃん! かえってフランスでダメになったんじゃないの?」と言われてしまい、ものすごくショックを受ける。よほど素質がないのかな……。あまりにもショックなので、僕の日記も連休です。

5月9日(火)
 短い時間だったが、地元の友人たちにも会えたし、日本を満喫できた。もう少し時間があれば、もっとみんなに会いたいんだけど……。でも、パワーはばっちり充電できた。明日は上海での中国GPに向けて、日本を出発だ。

5月10日(水)
 上海に到着した。去年は交通事情やホテル周辺の環境がもうひとつだったので、あまり楽しくないイメージばかりが先行していたが、今年は中国に工場のあるスポンサーのマイタンが素晴らしいホテルと運転手付きタクシーをオーガナイズしてくれたので、ちょっと楽しめそうな予感♪

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5月11日(木)
 サーキットでスタッフとミーティング。その後、市内ホテルでGショックの記者発表会が盛大に行われた。中国のモーターサイクル誌やファッション誌関係のジャーナリストが集まり、予想以上に盛り上がっていた。時計についても色々と質問された。さすが、日本のGショックは世界中の人々に認知されている時計のひとつ。サポートを受けているライダー、そしてまた日本人として誇りに思う。

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5月12日(金)
 走行初日。去年は雨のレースの中、数周でリタイヤしているので、まずはコースを覚えるために周回を重ねた。マシンもタイヤも、感触は悪くない。

5月13日(土)
 午前、午後とセットアップを重ねてきたが、どうしても立ち上がりでライバル勢に離されてしまう。やや不安が残ったが、予選タイヤに履き替え、ファイトで気合一発のタイムアタックを開始。アタックごとにタイムを更新し、予選残り10分ではトップタイムが出せた! 最後にもう一度コースに出ようとしたが、時間切れで結局は4位に。でも、何戦かぶりに満足できる予選となった。

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5月14日(日)
 昨年よりもレースを見に来ているお客さんが多い。中国でも少しずつMotoGPが浸透してきたのかな? ヨーロッパだけでなく、アジアでもレースが盛り上がるといいな。
 レースはスタートから「何とかトップについて行くぞ!」とかなり攻めたのだが……、無理がたたってフロントタイヤを傷めてしまった。中盤以降はペースを守るのが精一杯で、ゴールした時は10位。残念な結果に終わってしまった。

5月15日(月)
 日本へ帰国……したと思ったら、明日フランスGPへ向けて日本を発つので、準備に追われる。というか、襲われる。

5月16日(火)
 成田発パリ行きの飛行機に乗る。今回は両親をフランスGPにご招待。ぜひ一度、フランスのファンの熱狂ぶりを見せたかったからだ。

5月17日(水)
 パリからルマンへ移動。

5月18日(木)
 昨年に引き続き、サーキット近くのカワサキディーラーでサイン会。チームメイトのランディーと一緒に出かけた。ものすごく盛り上がっていて、それはとてもうれしいんだけど……、なんで平日なのにこんなにたくさんの人が来るの?

5月19日(金)
 天候が安定せず、ルマン特有の曇り空だ。週末の予報は「曇りのち晴れ、所により一時雨」。……それって全部じゃん!
 公式練習では、最初の走行からマシンフィーリングが良く、タイムも安定していた。予選が楽しみだ。それ以上に楽しみなのは、次の天気予報だったりして。

5月20日(土)
 午前中は雨だったが、タイヤのアドバンテージが大きく、ウェット路面も悪くない。午後の予選はドライ。中国GP同様に、立ち上がり加速が良くなく、スピードの伸びがいまひとつ。でも、他のサーキットに比べれば差は少ない。
 そしてタイムアタックモード突入! 走るたびにタイムが上がるので、ピットに戻るとチームスタッフもイケイケ状態。トレーナーのフィリップも気合を入れてくれる。マシンも僕もコンディションが良かったので、久しぶりにポールを狙いに行った。
 いいタイムを出した後にペドロサに抜かれ、2位になったのは残念だったが、自分でも久しぶりのポール争いには興奮した。

5月21日(日)
 いい眺めの2番手グリッドからスタート。ちょっと出遅れたが、最初のコーナーでのアクシデントをかわして5、6番手を走行する。トップ2台には離されてしまったが、なんとかセカンドグループにはついていこうと思っていた矢先、「PIT 56」のサインボードが!
 最初はわけが分からなくてもう1周したら「ペナルティ」のサインが出ていて、自分が何かしてしまった事に気がついた。でも、思いつくのはスタート直後の1コーナーで誰かと接触したかも? ということぐらい。しかたなくピットロードに入って再びコースに戻り、そこから追い上げたが、ピットインのロスは大きすぎる。何もできないまま、12位でゴールした。
 レース後、チームに聞いたらジャンプスタートしたという事で、少し驚いた。自分ではまったく気が付かなかったからだ。どうもスタート前にクラッチの切れを確認した時に、少しバイクが動いてしまったようだった。予選まで良い流れできていたので、今回の結果は非常に残念。いつも悪い事は1日寝れば忘れるが、今日の事は3日くらいかかりそう。

ph
5月22日(月)
 レース後、そのままテスト。新しいカウルやタイヤのテストなどをして、次のムジェロに備える。悔しいレースの後だったけど、気持ちを切り替え……られなかったけど頑張りました。

5月23日(火)
 両親が今夜のフライトで日本に帰る。せっかくなので、ベルサイユ宮殿に行ってみることにした。僕も行ったことがないし、1人で行くわけじゃなかったので、今回は観光ツアーを頼んだ。バスの中、イヤホンでみっちりと歴史を勉強。日本で言うと徳川家の歴史を学ぶような感じだ。
 ベルサイユ宮殿はとにかくすごい規模! 17世紀、日本人がまだちょんまげをしてる頃にこんなゴージャスなデザインをしていたなんて……。圧倒されちゃいました。

ph
5月24日(水)
 明日、ベルギーで行われるカワサキのイベントにゲスト参加する。今日はパリからTGVに乗りベルギーに向かった。何度も見ているTGVだけど、実は乗るのは初めて。かなり期待して乗り込んだのだが……。
 車内は空いていて、なかなか快適ではあったけど、最新の日本の新幹線(特に500系)に比べると……。スピード感はあるけど、車内は意外と普通だった。車両の個体差もあるのかな。

ph
5月25日(木)
 ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットでのカワサキデーに参加した。カワサキファンが集まってサーキット走行会やMotoGPマシンのデモ走行が行われるイベントだ。ベルギーではもう10年以上GPが行われていないので、「何年も待ち望んでたんだ」というファンの方がたくさんいた。
 ところが文字通りのスパ・ウェザーで、あいにくの雨。「絶対降る」とは言われていたけど、ホントに雨。ZX-RRを走らせる僕にとってもルマンからずっと雨で、ガッカリだ。「みんなもガッカリだろうな」とちょっと気の毒に思っていた。日本でこういうイベントの時に雨が降ると、お客さんが少なくなったり盛り下がったりすることが多いからだ。
 ところがベルギーの人たちは雨に慣れているからか、雨でも晴れでも感覚的にはあんまり変わらないみたいで、サーキット走行会でもかなり元気よくガンガン走りまくっていた。
 ZX-RRでのデモ走行は、雨天中止と聞いていたので、ファンサービスとしてサイン会などを行う。でもお客さんの間には「MotoGPマシンの音だけでも聞きたいよな〜」「走るもんだと思ってたのにな〜」みたいな熱烈なノリがあって、ついにチームからも「2周だけでもいいから走ってくれないか?」。そう来たか!
 まったく知らないコースだし雨だし寒いし、リスクもあるので正直走りたくなかったが、皆さんの期待も高かったので、「1周だけでもよければ」と走り出してみた。
 結論。やっぱり何も知らないコースをいきなりMotoGPマシンで走るのはかなり無謀だった。何しろお客さんが見ているし、走るからにはそれなりにエキゾーストノートの迫力やスピード感も伝えたいじゃないですか。お客さんがいる所では必死に走ったけど、雨だからブレーキングポイントもよく分からず、「これぐらいで大丈夫かな」と思ったあたりでは止まり切れずに泣きそうになったり、有名な高速コーナー・オールージュ手前では、グリッドの白線で滑ってヒヤッとしたり、かなり怖い思いをした。
 でもお客さんはみんなすごく喜んでくれたから僕もうれしかったし、走ったら走ったで「1周てのもなあ」と、結局4周してしまいました。コース自体は、前半にガードレールがある区間があって2輪には厳しそうだったが、後半区間はすごくキレイだ。こんなに1周が長くて高速で美しいコースは、もうできないだろうな……。2輪向けの安全対策さえ施されれば、本当に素晴らしいサーキットだった。

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5月26日(金)
 ようやくフランスのアパートに帰ってきた。雨も多くてちょっと疲れたけど、この数日でフィリップ先生と一緒に体を動かしながら、ムジェロに向けて体調を整えていきたい。

5月31日(水)
 パリを経由してムジェロへ。イタリアはいい! 食事はうまいし、何と言ってもフィレンツェにはイタリアンブランドのアウトレットショップがそこら中にある。いつもショッピングが楽しみだ。……もちろん最大の楽しみはレースだけど、でも年に1回ぐらいはショッピングを満喫してもいいですよね? 張り切っていろいろ買い込みました。
 今回の宿泊は、去年に引き続いていわゆるホームステイ形式だ。ムジェロはサーキットの近くにホテルがあまりなくて、毎年ホテルを取るのが難しいし、サーキットを出る時の方向によっては混雑も激しい。そんなこともあって、去年と同じフィレンツェの小さな町の普通の家の部屋を借りて、レースウィークを過ごすことに。
 すごく温かい家庭で、みんな「あなたが来るのを楽しみにしてたのよ。あなたは家族の一員なんだから」と出迎えてくれた。……ますますイタリアが好きになった。

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